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市長の部屋

2025年3月市議会定例会 開会あいさつ(2月21日)

 本日、3月定例会を招集いたしましたところ、議員各位のご出席を賜り、厚く御礼を申し上げます。

 

 開会に当たりまして、一言ご挨拶申し上げます。

 

 議員各位におかれましては、日頃から市政の進展、住民福祉向上のため、精力的にご尽力されておられますことに敬意と感謝を申し上げる次第でございます。

  

 

〇雪による被害に遭わないために

 まず、この冬の降雪及び長引く寒波についてでありますが、寡雪でありました昨シーズンまでと一転し、この冬は年明け前からまとまった降雪があり、年末年始にはインバウンドのお客様を含め、市内スキー場を始め、多くの皆様にお越しいただき、市内観光関連施設各所で賑わいが見られました。先日開催されました、当市の冬の風物詩「いいやま雪まつり」や「かまくらまつり」にも、多くのご来場をいただいたところです。

 一方、2月に入ってからの「10年に一度レベル」とも言われる長引く寒波に伴う大雪は、市民生活にも大きな影響を及ぼしています。雪下ろし中の事故や落雪による被害など、雪に起因する事故や被害が報告されています。

 市では、雪国における安心安全なくらしの確保を図るため、自らの労力で自宅などの除排雪が出来ない除雪困難世帯を対象に、市民、事業者、市が協働して支援を行う雪かき支援事業や、高齢者等玄関先除雪支援に取り組んでおり、市民の皆様からは、冬の暮らしの安心感に繋がっているなど、評価をいただいているところであります。こうした支援事業や道路除雪など、今後も市民の皆様の冬の暮らしの安心確保に万全を尽くしてまいります。

 市民の皆様にあっては、雪による事故などに遭わないよう、雪下ろしの際のヘルメット着用や転落防止用命綱の使用、作業中の除雪車に近づかないこと、流雪溝のフタを開けたままにしないことなど、改めて除雪のルールを再確認いただいたうえで、十分気を付けていただくようお願い申し上げます。

 

 

〇駅前宿泊施設整備に関する訴訟について

 次に、飯山駅前市有地への宿泊施設整備に関する訴訟につきましては、1月7日付けで相手方の請求を棄却するとの判決を求める答弁書を長野地方裁判所に提出し、1月16日に第1回口頭弁論期日を迎えたところであります。

 今後も、当方の訴えが認めていただけるよう、適正に対応していきたいと思います。

 

 

〇市関係者の活躍(国際科学フェア・スキー競技)

 さて、中高生を始め、市関係者による嬉しいニュースが続々と届いております。

 まず、飯山高校自然科学部MBR班(探求科2年生3名)の皆さんが、1月19日から台湾・台北で開催された台湾国際科学フェア2025に日本代表として出場し、30カ国、234チームの研究成果が発表される中、見事に生化学部門で世界1位を獲得されました。研究内容は、地球環境問題に直結するテーマに取り組むもので、研究における発想と、それを達成した実験の手法が評価されたとのことです。市民にとっても、大変うれしいニュースでありますし、世界1位という称号はもちろん、若い皆さんが自ら課題に取り組み、課題解決に向け挑戦している姿に敬意を表するところです。

 次に、スキー競技では、野沢温泉村で開かれた全国中学校スキー大会において、クロスカントリー競技で個人種目の優勝を含む上位入賞のほか、リレー競技では市内中学生が加わった長野県の女子チームが優勝、男子チームが準優勝、ノルディックコンバインド競技でも上位入賞という素晴らしい成績を残しました。また、北海道で開催された全国高等学校スキー大会では、アルペン個人種目での優勝のほか、クロスカントリースキー・リレー競技で男女ともに飯山高校スキー部が優勝し、女子クロスカントリースキー・リレー競技は8連覇の偉業を達成、総合成績においても飯山高校スキー部が男子総合優勝、女子総合準優勝を勝ち取り、スキー飯山の名を全国に轟かせてくれました。加えて、秋田県鹿角市で開催された国民スポーツ大会冬季大会でも、市内中高生を始め、市関係選手が活躍され、見事な成績を収められました。

 選手・学校・保護者をはじめ関係者の皆様に、心からお祝いを申し上げますとともに、今後のさらなるご活躍を祈念いたします。また、応援いただいた市民の皆さんにも心から御礼申し上げますとともに、当市で開催される2028信州やまなみ国民スポーツ大会に向け、市民一丸となって機運を高めてまいりましょう。

 

 

〇最重要課題と令和7年度重点施策

 本定例会では、令和7年度予算案をはじめ、多くの案件を提出させていただいております。新年度事業への方針及び内容につきましては、この後、令和7年度施政方針及び議案の提案理由の中でご説明申し上げますが、人口減少対策を最重要課題と位置づけ、総合対策をもって取り組んでまいります。

 重点施策といたしましては、小中学校給食費の負担軽減率を5割から7割に引き上げることや保育園・幼稚園での給食費完全無償化など「子育て世代支援の拡充」、避難所の備蓄品や資機材の前倒し整備、静間・常郷地区堤防築堤に伴う内水排除施設整備など「防災・減災対策」、公共交通のキャッシュレス決済や配車アプリ導入の実証実験など、利用者目線に立った「DX推進」、省エネ推進補助金の拡充など「カーボンニュートラル推進」への取り組みも、今回の予算に盛り込み、しっかり進めてまいる考えです。

 ご審議の程よろしくお願い申し上げます。

 結びに、今後とも議員各位の格段なるご指導とご協力をお願い申し上げまして、招集の挨拶といたします。

 

令和7年度(2025年度) 施政方針(2月21日)

 令和7年(2025年)3月定例市議会の開会に当たり、令和7年度(2025年度)に臨む、施政の基本方針を申し上げ、市民の皆様、並びに議員各位のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

 

 平成27年(2015年)3月14日に北陸新幹線飯山駅が開業し、今年3月で10年が経過します。3月20日には開業10周年記念イベントを開催いたします。 

 

 実感できる開業効果といたしまして、インバウンド需要等により、スキーシーズンに大勢の海外旅行者が飯山駅に降り立つ姿が冬の風物詩ともいえる光景となりました。引き続き、北信州の玄関口として、「訪れたい」まちづくりを進めてまいります。

 

 

○「飯山郷創~世界にひらく 里山の未来~」の実現へ

 私が就任して3回目の新年度を迎えます。市長に就任して以来、直面する諸課題の解決に対し、「本気で聞く、本気で語る、本気でやる。」の姿勢で、全力を傾けてまいりました。

 当然のことながら、社会経済情勢の変化により、市政を取り巻く状況は変わり続けております。就任当初にお約束した公約や令和5年(2023年)3月に策定した飯山市第6次総合計画だけでは今の市民ニーズに十分応えることはできないとの思いが強まり、12月26日から1月16日まで新年度予算編成にあたり、市民の皆様から市政についてのご意見を募集させていただきました。約80件の様々な貴重なご意見をいただき、大変ありがとうございました。それらに対する市の考え方については調整ができ次第、公表させていただきます。

 今回、直接市民の方々からのご意見をお聞きした、約80件のご意見のうち、約10件は新年度予算案に反映させていただき、他のご意見についても、今後の施策の中での取り組みを考えてまいります。

 

 

○国、県の状況

 ここで、市政を取り巻く国や県の状況等を申し上げ、ご理解を賜りたいと存じます。

 国においては、1月24日に閣議決定されました「令和7年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度」では、我が国経済は、「賃上げと投資が牽引する成長型経済」に移行できるかどうかの分岐点にあるとされ、令和7年度(2025年度)の経済見通しにおいては、民間需要主導の経済成長が実現することが期待され、実質GDP成長率は1.2%程度、名目GDP成長率は2.7%程度、また、消費者物価は2.0%程度の上昇率になると見込まれております。

 国の新年度予算案は、「賃上げと投資が牽引する成長型経済へ移行するための予算」とされており、防衛力の抜本強化、「子ども未来戦略」に基づくこども・子育て支援の本格実施、GX投資推進、AI・半導体産業基盤強化といった重要政策課題への対応等をポイントに、一般会計総額が115兆5,415億円と、前年度当初比で2兆9,698億円、約2.6%の増となる予算規模となっています。

 長野県におきましては、「確かな暮らし」を守り、「ゆたかな社会」を築くため、令和5年度(2023年度)からスタートした「しあわせ信州創造プラン3.0」に基づく取組を一層推進するための新年度予算案として、信州未来共創戦略で掲げられた、若者・女性から選ばれる寛容な社会づくり、信州の強みを生かした移住・関係人口の増加、安心・便利で持続可能な生活圏の整備促進、変革期を乗り越える経営等の革新の4つの方向性の実現への貢献とともに、ゼロカーボンやDXの推進、地震防災対策の強化などに加え、県民に伝わる広報、県民と共に創る県政の実現のための予算が計上され、新年度一般会計予算総額は1兆119億円、前年度と比較し127億円、約1.3%の増となったところです。

 

 

○飯山市の施策

 このような状況の下、飯山市における令和6年(2024年)の人口減少率は約2.2%、2023年の約2.6%と比較すると約0.4%、ポイント減少率は下がりましたが、依然として厳しい減少が続いています。人口問題解決を、最大の課題と位置づけ、その原因である若者の流出と出生数の減少の双方に歯止めをかける対策が急務となっております。そのために、次代を担う子どもたちの育ちを支えるためには、妊娠・出産・子育てまで切れ目のない子育て世代支援を、基盤産業である農業に対しては、新規就農者の確保・育成に加え生産力や付加価値の向上を、観光振興では需要が高まっているインバウンドへの促進のためにも、里山をはじめ千曲川や飯山線など地域資源を活用した取組を進めます。また、全ての人が暮らし続けたいと思える、安全で安心なまちづくりについて最優先で取り組んでまいります。

 今述べました様々な施策について、限りある財源の中で、今やるべきこと、やらなければならないこと、という点を重視した予算配分とすることと同時に、健全な財政運営を維持してまいります。

 市民各位、議員各位のご理解ご協力をお願い申し上げる次第であります。

 

 

○令和7年度(2025年度)予算案概要と重点施策

 それでは、新年度予算案の特徴と、施策の概要を申し上げます。

 予算総額は、一般会計で168億3千万円、城北小学校の建設工事費の減等により、前年度比約6億6千6百万円、約3.8%の減となりました。

 歳入は、市税については来年度個人住民税における定額減税の縮小や給与所得の増等を考慮し、前年度比1億7百万円増の24億2千8百万円を計上、地方交付税は前年度比1億4千4百万円、約2.4%増となる60億5千7百万円を計上し、国県支出金のほか、ふるさと納税を活用した基金等の活用、市債等で歳入確保をいたしました。

 歳出においては、各地で激甚化・頻発化する自然災害に備え、千曲川の内水排除施設整備や、避難所の環境整備の推進などの事前防災対策に重点的に予算を計上し、脱炭素の地域づくり、行政手続きのオンライン化による住民サービスの向上につながる自治体DX及び飯山市DX推進計画に基づく取組の推進、小中学校の給食費負担軽減などの子育て支援や、地域おこし協力隊、集落支援員制度を活用した地域の維持や活性化、また、国の交付金を活用し、物価高騰が長期化する中、市民生活を支援し地域経済の活性化を通じた地域振興を図るため「飯山市市民生活応援商品券」を全市民に配布するなど、公約に基づく重点政策と第6次総合計画に掲げる基本目標と整合を図りながら、目標達成への着実な推進に重点をおいた予算を編成したところです。

 

 

 以下、新年度の重点施策に関わる事業について、前期基本計画に掲げる5つの基本目標に沿ってご説明申し上げ、市の姿をご理解いただければと存じます。

 

 一つ目は、「美しい自然環境を守り、クリエイトするまち」づくりであります。

 飯山らしい魅力ある景観まちづくりを通じ、自然と共生する豊かな暮らしの実現のため、策定された飯山市景観計画に基づき、より一層の景観形成の推進に向けた取り組みを進めていきます。

 自然環境保護に向けた温室効果ガスの排出削減及び2050年カーボンニュートラルの実現のため、家庭における再生可能エネルギーへの移行と脱炭素化を促進するための支援制度を約5百50万円から2千5百万円へ約5倍に拡充して取り組んでまいります。

 地域課題の解消等に向けた活動に取り組んでいただいております地域おこし協力隊については、今年度16名となります。郷土食の伝統継承、スポーツ振興、農業への従事など多様な業務に取り組んでいただいています。新年度においては新たに19名の任用を計画し、地域外の人材の知識・経験・感覚を積極的に受け入れ、地域資源の魅力化や付加価値の創出を図ってまいります。

 関係人口創出につきましては、飯山市の魅力を理解し、飯山市を宣伝いただける方の登録会員制度、信越自然郷いいやま応援隊「雪ん子クラブ(仮称)」を創設し、飯山市内外の人々との関わりやつながりを深め、関係人口増加と知名度向上を目指す取組を新たに進めてまいります。二地域居住にも積極的に取り組んでまいります。

 

 二つ目は、「未来を拓く子どもたちが育つ共育のまち」づくりであります。

 新たに開校する城北小学校において、3年生から6年生で教科担任制を取り入れた「学年担任制」による子どもたちに寄り添った教育活動を実践します。また、地域住民の皆様の参画を得て、子どもたちが放課後に多様な体験や活動ができるような環境を整えてまいります。例えば、英語あそび、地域探検、理科実験などが想定される放課後子ども教室です。その際、集落支援員制度も活用します。

 子育て世代支援として、令和5年度(2023年度)から段階的に取り組んでおります小・中学校給食費の負担軽減につきましては、新年度から補助率を現行の5割から7割へ拡充するとともに、幼児教育の給食費と幼児保育の給食費については新年度から完全無償化を実施して、保護者負担の更なる軽減を図ります。

 また、飯山市は県内市町村と比較して乳幼児の虫歯罹患率が高いことから、年長園児から小中学校の児童生徒を対象にフッ化ナトリウム溶液を用いたうがいを実施することにより、乳幼児のむし歯罹患率を下げる取組を進めてまいります。

 

 三つ目は、「世界に誇れる技術を持ち、産業が活発なまち」づくりであります。

 令和7年度(2025年度)では、市内農林畜産業の現状と課題に向き合い、市や生産者やJA等が参画する「飯山市農林畜産業ビジョン策定会議(仮称)」を開催し、農業部会、林業部会、畜産業部会の各部会を設け、市内農林畜産業の体制構築や取組実現に向けた具体的な施策構想を策定し、取組を推進します。その際、農業委員会にもよく意見を伺ってまいります。

 観光施策としては、北陸新幹線飯山駅を起点に外部資本による開発の動きが高まりつつある斑尾高原をはじめ、飯山市としてインバウンドの推進を図るとともに、観光エリアごとの課題に取り組んでまいります。

 また、旧城南中学校跡地や、城北中学校区の4つの小学校が統合されることにより閉校となる4小学校の跡地、MIZBEステーション、市が所有する工業団地などの公有財産の利活用についても、市の課題解決に活用し、地域と調整を図りながら進めてまいります。

 

 四つ目は、「一人ひとりが生きがいを持って挑戦できるまち」づくりであります。

 2028年国民スポーツ大会の開催に向け、県の新年度予算案に関連し、今まで県の単独支援のなかった冬季スポーツでは初めて、県知事から前向きに検討すると明言いただきました。市営飯山シャンツェ整備に係る設計業務を進め、スキー、カヌーの選手育成及び競技役員の育成に取り組みます。整備費用の財源の足らざる部分については、様々な企業に、企業版ふるさと納税による寄附を募ってまいります。

 飯山市公民館、女性センター未来、市立図書館、ふるさと館、美術館の5館から成る学びのエリアについて、長寿命化に合わせて、これらの施設を有効に活用していくための方向性を検討してまいります。

 人手不足が続く介護分野への外国人も含む介護未経験者の参入を促進するため、研修の実施と介護資格取得への支援にも取り組んでまいります。

 

 五つ目は、「安全で安心して暮らしを愉しめるまち」づくりであります。

 生活基盤である公共交通の利便性向上を図るため、乗り合いタクシーの新たな移送方法の導入に向けた実証実験を12月から来年3月まで行います。

 また、交通事故防止対策の一環として、新たに運転免許証を返納された方を含めた高齢者等の交通弱者の方々への移動のための支援にも取り組んでまいります。

 冬期間も不安なく安心して住み続けられる地域づくりを進めるため、雪かき支援事業による除雪困難世帯への支援の継続に引き続き力を入れて取り組むほか、除雪体制をしっかり維持してまいります。

 防災減災に向けましては、信濃川水系緊急治水対策プロジェクトで国が行う千曲川の堤防整備に合わせた内水排除施設の整備や国の交付金を活用して災害備蓄計画を前倒しし、組立式トイレや発電機、投光器などの災害に備えた備蓄物資及び備蓄資材の整備等、災害対策の強化に取り組みます。

 

 以上、施策の概要について申し上げました。

 最後になりますが、先に申し上げたとおり、新年度は、第6次総合計画前期基本計画の3年目となります。基本構想に掲げる将来のまちの姿「飯山郷創(きょうそう)~世界にひらく 里山の未来~」の実現を目指し、全力で取り組んでまいります。

 

 一言でスローガン的に申せば、「経済を動かす、暮らしを守る」が新年度予算の特徴です。

 

 市民の皆様の一層のご協力をお願いするとともに、議員各位のご支援ご協力を心よりお願い申し上げ、所信表明と致します。

 

年頭ご挨拶(2025年1月7日)

【就任3年目】

 

 昨年11月から市長任期の3年目に入りました。過去2年間で公約した施策のうち、いくつかは着手できました。女性副市長の任命、雪かき支援員制度、学校給食の負担軽減、地域おこし協力隊の活用、冬期間の高齢者共同住宅(実証試験)、放置廃屋処理の取り組み、千曲川河川敷立木処理(飯山独自モデル)の取り組みなどです。前市長から引き継いだ道の駅「花の駅 千曲川」の農・アクティビティ拠点施設は一昨年オープンし、城北小学校は今年4月に開校、9月には新校舎に移ります。

 公約外の施策も、いくつかは緒に就きました。千曲川MIZBE(みずべ)ステーションの国土交通省登録や絵本のまちづくり。また、井階友貴先生を指導者とする健康のまちづくりは来年(2026年)飯山市で全国大会を開催します。いずれも運と人と人とのつながりから生まれてきました。

 しかし、飯山市の人口は昨年11月1日現在の人口動態調査結果により、1万8000人を割り込み1万7972人となりました。2023年の人口減少率は2.6%と極めて深刻な値となりました。

 

 

【先人の心意気に学ぶ】

 

 このような中で、私たちのふるさと飯山で、市民はどうしたら安心して暮らせるのか。産業振興と雇用の確保というご意見をよくお聞きします。私はじっと目を閉じ、飯山の産業起こしの先人に思いをはせました。

 石坂周造(1832年~1903年)桑名川出身の幕末の志士。時代の変化を鋭く見極め、油田開発事業に邁進しました。日本で最初の株式会社を設立し、油田掘削機を輸入。その後、日本石油㈱を創設しました。

 松田順次(1907年~1994年)現在の池田町出身。長野県の技師として常盤の県農業試験場に着任。地域の農民の稲作の苦労(冷害による損害)を受け止め、稲の室内育苗法、稚苗定植法を開発。秋の早期刈り入れにより冷害から農民を守り、自動田植え機の開発普及につながりました。結果、1964年東京オリンピックの大規模開発工事に農村部からの人員確保に寄与し、高度経済成長の礎を築きました。

 高橋勇士(1924年~1987年)太田出身。昭和20年代から30年代にかけて、農村地帯の若者に仕事がなく、特に冬季の仕事がないことに苦悩しました。スキー民宿というスキー発祥の地にふさわしいスポーツ観光事業を導入発展させ、現在に至るまで地域経済を支える重要産業の一つとなっています。

 

 

【飯山市の厳しい人口減少】

 

 今の飯山市の人口減少は誠に厳しい状況です。人口減少を食い止める特効薬はありませんが、安心して暮らせる地域を作ることが最善の方法です。特に20代30代の女性の人口減少が著しいです。あらゆる施策を動員して人口減少に歯止めをかける中で、特に若者、女性、子どもを中心とした取り組みが重要であると考えます。

 

【令和7年度(2025年度) 予算編成過程のパブリックコメント】

 

 昨年12月26日から1月16日まで、新年度予算案について市民の皆さまから意見を募りました。広報飯山1月号が市民の皆さまのお手元に届く頃には、いただいた意見を整理し、最終案を議論していることと思います。市民の皆さまの意見にしっかり耳を傾け、全職員が一体となって、それぞれの施策が人口減少を食い止めることにどれだけ役立つか、人口増加にどれだけ結びつくか、しっかり予算を作り上げていきます。

 

 

【駅前ホテル】

 

 一昨年来、飯山の駅前ホテルのことで皆さまにご心配をおかけしています。私は公約を愚直(ぐちょく)に進めていく一方、議会や事業者、市民の皆さまの意見に耳を傾け、考え、なんとか落着点を見いだしていくよう全力を傾注(けいちゅう)する所存です。

 

 

【向かい風こそ】

 

 凧(たこ)は向かい風ほど高く舞い上がります(ウィンストン・チャーチル)。ヨットは向かい風でも操り方次第で前進できます。今、飯山市は向かい風の中で、安心して暮らせる地域を皆で模索し実現しようとしています。議論のための議論ではなく、経済を発展させ、地域を豊かにする。経済なくして暮らしの安心なし。強い経済の実現により、スポーツも文化も医療も健康も一体となって取り組むことができます。高齢者も社会的弱者も、子どもも、全ての人が安心して住める地域。これを作り上げるために議論し、実践してまいります。

 私は市民の皆さまから毎日試験を受けている思いで努めております。市民の皆さまのご理解とご協力を、何卒よろしくお願いいたします。

 

 飯山市長 江沢 岸生

駅前ホテルに係る状況説明 (2024年10月23日 議会全員協議会)

 駅前ホテルについて、すでに新聞等でも一部報道されておりますが、ここで9月議会終了後の経過について説明させていただきます。

 10月4日に開催された調停において、議会の議決の結果(調停条項案の否決)について報告し、今後の対応について飯山市と調停委員会、調停委員会と飯山ホテル株式会社での話し合いを行いました。

 当方からは、議会で否決となった理由については、調停条項案の合意に至るまでの経緯について市議会への説明不足が主な原因と考えている、といった内容の説明を行いました。

 そして、今後の対応については、調停条項案と債務負担行為に係る予算案を再度、12月議会に提案して審議と議決を求めていきたいとお願いをし、次回の議会で承認を得るためには、議員の皆様にご理解いただけるよう、説明の内容について飯山ホテル株式会社と十分協議を行い双方合意した内容で説明を行いたいとお願いをしました。

 具体的には、①4階建てのホテル建設に変更となった経過について、②「補助金の執行はできかねる」との方針を変更し補助金3億6千万円で合意するに至った経緯について、③補助金3億6千万円はどのような根拠で算出したかについて、④ホテル営業開始時期をなぜ2年延長することにしたのかについて、などを議員の皆様にご理解いただける内容で説明させていただきたいと調停委員会にお願いをしました。また、市民の皆様にご理解をいただくために地区説明会を開催したいとも提案させていただきました。

 当方からのお願いについては、口頭だけではなく書面においても提出させていただき、当方の説明について飯山ホテル株式会社にご理解をいただけたようで、調停は継続されることとなり、次回期日は12月議会終了後の1月上旬ということで調停での話し合いはまとまりました。

 まずは、当方から12月議会で説明する内容について10月中旬を目安に飯山ホテル株式会社にご提案することにしましたので準備を進めていました。

  ところが、飯山ホテル株式会社が10月15日付で調停申立ての取下げを行ったと、10月16日に飯山簡易裁判所から当方の代理人である弁護士に連絡があり、結果として調停は終了となってしまいました。

 当方としますと、誠に残念な結果となってしまいました。

 飯山ホテル株式会社が調停申立ての取下げを行った理由ですが、飯山ホテル株式会社が飯山簡易裁判所に提出した申立取下げ書によりますと、飯山ホテル株式会社において10月10日に株主総会を開催し、市側の提案への協力の可否を協議した結果、飯山市の対応は終始後手に回り、議会の承認議決を得る見込み無しとして否決となったとのことでした。

 今後の対応についてですが、当方としますと飯山駅前に宿泊施設は必要との考えに変わりはありませんので、まずは、飯山ホテル株式会社が今後どのようなご意向をお持ちなのか、お話をお伺いしたいと考えています。

 飯山ホテル株式会社からお話を伺ったのち、今後どのようにして飯山駅前にホテル・宿泊施設を整備していくか検討していきたいと考えています。 

 

議会全員協議会 市長挨拶 (2024年8月20日)

 本日、9月定例会招集の告示をさせていただきました。

 さて、9月議会に提出いたします議案につきましては、後ほどご説明申し上げますが、私が最も重要なことと考えておりますのは、北陸新幹線飯山駅前のホテル建設に関する民事調停条項案の承認でございます。ご案内のとおり、先の市長選挙の公約を実現するため、昨年3月から4月にかけて専門家の力をお借りして検証を行いました。そしてその結果に基づき、方針をお示ししました。その後、ホテル事業者と水面下で一致点を見出すべく、駅前にホテルは必要であるという共通の認識のもと、話し合いをしておりましたところ、ホテル事業者から民事調停を行いたいとの申し出があった旨の連絡が飯山簡易裁判所からありましたので、それを受け、約1年飯山簡易裁判所において調停を続けてまいりました。

 先般ご報告いたしましたとおり、飯山簡易裁判所から本年6月25日付で「北陸新幹線飯山駅前宿泊施設変更合意等請求調停事件」について調停条項案が示されましたので、この9月の議会に提出し、地方自治法に基づく承認をいただきたい案件でございます。

 その前文には、当調定委員会は第7回調停期日までの当事者双方の主張及び事情説明の聴取等を踏まえ、双方の合意形成の実現可能性が高いと考え、また、合わせて最近の飯山市及び近隣地方自治体を取り巻く経済状況・観光客の動向等を鑑み、別紙の調停条項案のとおり調停を勧試(かんし:事案解決に向けて勧めること)しますとあります。また、同調停条項案を飯山市議会ほか、関係各所に示して意見を聞き、協力を得ることについては、当事者双方が互いに了解していることを前提にしています。との記述もございます。この前文を含めて全て裁判所、そして両当事者で合意したものでございます。

 この民事調停において、3者が一字一句を含めて合意した調停条項案がまとまったということは、私は画期的なことであると認識をいたしております。なぜかと申せば、飯山市民の多くは飯山駅前の市所有地に適切な形で、ホテルが早期に建設されることを強く願っていると感じるからであります。どうか1日も早い審理、そしてご承認を賜りますことを切にお願いいたします。

 さて、もう一点熊対策について報告させていただきます。これから9月、10月と例年ですと熊出没確認数がピークを迎えます。昨年10月には不幸にして1名の市民が尊い命を失いました。改めてご冥福をお祈りするとともに、その死を無駄にしないよう限られた人員予算の中で全力を尽くしております。その中でも特に住民の関心、あるいは評価が高いのは熊、いのしし等の出没確認アプリでございます。ご存じの「けものおと」です。かなり多くの方が利用されており、出かける前に必ず出没経過を確認するというお話もよく伺います。他市町村からも問い合わせがありましたので、県内の全ての市町村に飯山市で導入している「けものおと」の仕組みについて、説明の資料を1ヶ月ほど前にお送りしました。北信地域振興局にも、県内全域で導入していただくことが、最も合理的な策ではないかと提案を申し上げました。来たる22日の市長会おいても、さらに提案をするつもりでございます。昨日、野々海川土砂崩落の災害状況を視察に来られた関副知事にもお話をいたしました。

 もう一つは熊よけスプレーでございます。昨日も市内の最も対策に詳しい方が、とにかく熊スプレーの確保が喫緊の課題だ。どこで購入できるかということを、市民にできるだけ早く知らせてくれということでございました。率直に申します。店頭販売など確認しましたがほとんど在庫がない状況であることが確認されました。通信販売等の状況も確認し、市民に購入についての見える化を急いで図りたいと考えております。

 以上、長くなりましたがありがとうございました。

 

 

飯山市制施行70周年記念式典 市長式辞 (2024年8月1日)                          

 本日ここに、飯山市制施行70周年記念式典を開催しましたところ、様々な事柄についてご指導をいただいております多数のご来賓の皆様、そして、今日の飯山市を築きあげる上で多大なるご貢献をいただきました多くの市民の皆様のご臨席を賜り、このように盛大に開催できますことを、心から感謝申し上げます。

 また、この70周年という節目を迎えられることに感謝し、市民の皆様とともにお祝いできることを大変うれしく思います。

  昭和29年(1954年)8月1日、1町6村が合併し、飯山市が誕生し、その後、昭和31年(1956年)に2村が加わり、今日の飯山市に至っております。

 飯山市は、厳しくも豊かで美しい自然環境のなかで、産業・文化・歴史・伝統・風土・人情を育んできた地域であり、また、スキー・野球などのスポーツも盛んな地域であります。日本有数の豪雪地帯である本市は、度重なる記録的な大雪や、繰り返しおそった千曲川の大水害など、決して平坦な道ばかりではありませんでした。このような厳しい自然条件の豪雪地域でありながら、上信越自動車道 豊田飯山インターチェンジの開通、北陸新幹線飯山駅の開業など、本日まで着実に住みよいまちとしてレベルアップしてまいりましたことは、先人のたゆまぬ努力と、本日ご臨席賜りましたご来賓の方々、そして市民の皆様のご協力の賜とこの場をお借りしまして、心から敬意と感謝を申し上げる次第であります。

  近年の人口減少・少子高齢化の進行、新型コロナウイルス感染症のまん延とライフスタイルの多様化、AⅠをはじめとしたデジタル技術の急速な進化など、私たちを取り巻く環境は大きく変化し続けています。それとともに市民ニーズは多様化し、住民生活に密着した市町村の役割はますます重要になっております。変化するものだけが生き延びるということを胸にきざみながら、その原点にかえって市民の皆様の福祉の向上のため、市政運営に力を尽くしてまいります。

  昨年度策定いたしました第6次総合計画の基本構想に掲げる将来のまちの姿「飯山郷創(きょうそう)~世界にひらく 里山の未来~」の実現に向け、「誇りある郷(ふるさと)」として飯山市を発信し、訪れたい・住みたい・暮らし続けたいと思われる「世界に誇れる里山」づくりに向け、これからも各施策を着実に推進してまいります。そして、今の時代を生きる者の責任として、次世代に残すべき大切な財産を絶やすことなく、あらゆる地域資源の可能性を最大限に引き出し、また変化が必要な部分は大胆に改革を行い、70年の歩みを未来へつないでまいります。

 市民の皆さまにおかれましては、ふるさと飯山を愛する市民として、飯山市の発展のため、今後も、より一層の御支援、御協力をお願い申し上げます。

  結びにあたり、本日ご多用のところご臨席賜りました御来賓の皆様方、そして飯山市民各位の、ますますのご健勝とご繁栄を心より祈念申しあげ、飯山市制施行70周年記念式典の式辞といたします。

 

 

飯山市で開催された長野県市長会の「副市長・総務担当部長会議」での市長あいさつ 〜ジェンダー平等の取り組み推進〜 (2024年7月5日)

 副市長の皆様、そして総務担当部長の皆様、ようこそ飯山市にお越しをいただきました。歓迎いたします。

 飯山市では春の四重奏、カルテットというものがございまして、残雪、さくら、菜の花、そして千曲川この4つが合い重なって飯山の春の訪れを素晴らしいものにしてくれており、私の一番大好きな季節です。今は夏、飯山は盆地という地形の特性もあり、かなり暑い日もございます。

 さて、私は2022年の10月28日に市長に就任させていただきました。そして公約に掲げました、『女性の副市長』を誕生させるということを実現するため、時間を要しましたが、翌年1月の1日から伊東ゆかり副市長を誕生させることができました。

 飯山市が誕生して今年で70年になりますが、女性副市長は初めてのことでございます。女性の市長もございませんでした。伊東副市長は持ち前の明るさと機転も利き発想も豊かで、市民の皆さんにも大変歓迎されています。私と違い、職員にも温かい思いやりの言葉をかけたり、職員の評価も高いものと私は感じております。

 さて、ジェンダー平等は時代の流れであると同時に、私は飯山市の置かれた環境、生産労働人口の比率が低いこと、高等学校より上の教育機関がないことなど、経済の発展にとって非常に厳しい状況の中で、あらゆる分野でジェンダー平等を前進させていくことは、新たな発想や新たな交流が生まれ、地域の経済を維持発展させるために不可欠のことだと考えております。

 また最近では、災害対策の避難者の問題のように、女性の視点で取り組むことが不可欠な分野があります。県内唯一の女性副市長がいる飯山市において副市長・総務担当部長会議をお開きいただいたことは大変光栄でありますと同時に、各市共通の課題として、ジェンダー平等について色々意見交換をしていただいたり、またお考えいただいたりする上で、またとない機会であろうかと思っております。

 飯山市のジェンダー平等の取り組みについて、一つの小さな活動でございますが、昨年4月からスタートさせました第6次総合計画におきまして、審議会の女性委員比率を1/3以上にするとの目標を盛り込みましたが、1年にしてすでにこれを達成し、さらに上の「40%以上を目標とし、女性委員が一人もいない審議会は、少なくとも1名以上の女性委員参画」の実現に向けて進めているところでございます。

 まだまだ色々お話ししたいところでございますが、どうぞ北信州の、信越自然郷の飯山の空気を身体いっぱいに吸収し、リフレッシュしてお帰りいただけることを祈念しております。

 どうぞよろしくお願いします。

 

2024年6月市議会定例会における市長開会あいさつ (2024年6月10日)

 本日、6月定例会を招集いたしましたところ、議員各位のご出席を賜り、厚く御礼を申し上げます。

 開会に当たりまして、一言ご挨拶申し上げます。

 議員各位におかれましては、日頃から市政の進展、住民福祉向上のため、精力的にご尽力されておられますことに敬意と感謝を申し上げる次第でございます。

 

◯能登半島地震 1日も早い復旧復興を

 今年の元日に発生した令和六年能登半島地震では、発生から半年が経過しようとしている現在でも、被災された多くの方が避難生活を余儀なくされています。改めて、被災地の皆様にお悔やみとお見舞いを申し上げますとともに、1日も早い復旧・復興をお祈りいたします。当市からは、羽咋市(はくいし)や輪島市を中心に給水支援や避難所支援、家屋調査等の支援のため職員を継続的に派遣しており、1月に飯山市災害対策支援本部を設置してから現在までに29名、派遣日数では延べ150日となる職員を派遣してきております。今後も長期的な支援が必要でありますので、被災地からの支援要請に応じて、必要な支援をしてまいりたいと考えております。

 

◯防災対策

 市内におきましては、4月に岡山地区 西大滝区の野々海川上流で土砂崩落が発生、また5月には、上境区において水田の法面が崩落し、運上川がふさがれる事案が発生いたしましたが、幸いにも人的被害や家屋などの被害はありませんでした。
 今年も梅雨の時期を迎え、大雨による災害への備えが必要な季節となりました。
 5月26日に実施いたしました水防訓練では、デジタル技術を活用した情報収集や伝達、ドローンを活用して現場状況をリアルタイムで把握する訓練、また、野々海川での土砂崩落の警戒を受け、西大滝区の住民の方に避難訓練に参加いただくなど、実際に災害が発生したことを想定する中で災害対応や水防体制の強化を図りました。近年激甚化・頻発化する大雨に迅速・適切に対応するため、今後も国や県、消防団、地域の皆様と連携しながら災害に備えてまいります。

 

◯クマ被害に遭わないために

 また、昨年来、全国各地においてクマによる被害が急増しております。長野県は、里地でのクマの目撃や人身被害が相次いで発生していることを受け、今月5日に、8月末までを期間とする「ツキノワグマ出没注意報」を県内全域に初めて発令しました。当市においては、昨年 痛ましい死亡事故が発生しており、今年4月以降も、昨日までに23件の目撃情報が寄せられ、今月6日には上境区で一頭を捕獲したところです。市民の皆様におかれましては、田畑や山林などに行く際は、まず鳥獣被害予防アプリ「けものおと」で向かう先のクマ出没状況を確認したうえで、ラジオや鈴を携帯し、また、いざという時のためにクマ撃退スプレーを携行するなど、クマの被害に遭わないよう十分ご注意をお願いします。

 

◯市政を取り巻く状況の変化

 さて、新型コロナウイルス感染症の5類移行から1年が経過いたしました。抑制されていた人流が活発化したこともあり、個人消費の増加やインバウンド需要の回復など、社会経済活動が活発化しております。

 新型コロナ感染症が我々の生活様式を変えたように、ここ数年で我々を取り巻く状況は大きく変化している、または、変化しようとしていると感じております。

 昨年度、10年間のまちづくりの基本的な指針としての役割を担う「第6次総合計画」を策定いたしましたが、この1年間においても、飯山市を取り巻く状況は、刻々と変化してきております。主要なものとして、以下3点について申し上げます。

 

◯人口減少対策

 まず、人口問題につきましては、先般、民間組織である「人口戦略会議」から、全国1729自治体の内、当市を含め、全体の4割強となる744自治体が「消滅可能性自治体」という不安を煽るキーワードとともに公表されました。20代、30代の女性が2050年までの30年間に半分以下になるとの推計のみを分類の根拠にすることは、いかがなものかと感じます。人口減少、そして少子高齢化については、市長就任当初から大きな解決課題と認識しております。

 2023年の国及び長野県の合計特殊出生率は過去最低となり、人口は想定よりも速いペースで減少しております。当市におきましても、若年人口の減少に比例し、出生数が減少しており、昨年度の出生数は60人と、30年前と比較し、2割程度となっております。一方、社会人口増に向けて取り組んでいる移住施策では、昨年度の当市への移住者数が、60世帯 113人、移住者の平均年齢は36歳、県外からの移住者が6割近くを占めており、移住者数の落ち込みが大きかった一昨年度と比較し、18名増加となりました。
 これまでも、人口減少・少子高齢化が顕在化する飯山市において、議員各位、市民の皆様及び関係団体の皆様等と議論を深めるなか、小中学校給食費の5割負担軽減や18歳以下の医療費窓口無償化などの子育て支援、また、雪かき支援事業による冬期間の除雪困難世帯の負担軽減、地域おこし協力隊制度、集落支援員制度を活用した地域活性化への取り組みなど、この地に暮らす市民の皆さんが安心・安全に住み続けられる飯山市の実現に向けて取り組んできておりますが、今後も、訪れたい・住みたい・暮らし続けたいと思われる飯山市づくりに取り組んでまいります。

 

◯農業の転換点

 2点目として、今国会において、四半世紀ぶりに「農政の憲法」とされる食料・農業・農村基本法が改定されました。日本の農業が大きな転換点を迎えているとの認識のもと、食料安全保障の確保を基本理念とする改定が、当市の農業にどのような影響を及ぼすのか、しっかり検討していかなければならないと思います。目前の課題である農業者の高齢化対策、遊休農地対策、森林環境譲与税が本格交付されることも踏まえた林業への取り組み、農林業の維持・振興に資する(仮称)農林業振興法人の検討、また、学校給食をより良いものに改善していくためのお米の供給の見直しなど、しっかり取り組んでいく必要があります。

 

◯次世代に繋げていく観光

 3点目として、観光業を取り巻く状況では、インバウンド需要の回復により、昨年の訪日外国人数はコロナ前の8割にまで回復してきており、市内スキー場においては、インバウンドによる入り込みが、昨年と比較し倍増したとの報道もありました。インバウンドの取り込み、そして、国内マーケティング潜在需要の掘り起こしに向けた地域外の資本による観光リゾート開発につきましても、これからの観光施策を進めていくうえで、当市にとって大変重要な意味を持つものであり、歓迎するとともに、今ある地域資源に磨きをかけ、次世代に繋げていく観光地づくりを、ともに進めていきたいと考えております。

 3月の北陸新幹線の敦賀延伸を受け、4月22日には福井県敦賀市と、当市においては7都市目となる観光交流都市協定を締結いたしました。この協定締結を契機に、観光交流だけではなく、両市の市民、職員の積極的な情報交換や交流により、両市の魅力を、より一層高めていけるような活動に繋がることを期待しております。

 地方鉄道路線の存続問題が取り上げられる中、飯山線の利便性向上や利用促進に向け実施しているサイクルトレインの利用は好調であり、公共交通の維持という観点、観光振興という観点から、大いに期待が持てるものであります。

 

◯駅前宿泊施設について

 駅前宿泊施設の建設に関しましては、皆様ご承知のとおり、昨年7月に事業者からの民事調停の申し立てを受け、今日(こんにち)まで、誠心誠意、対応してきているところでございます。市、事業者ともに、駅前にホテルが必要との思いは共通していると認識しており、市民の大事な資産を1日も早く適切な形で活用できるよう、今後も進めてまいりたいと考えております。

 

 今申し上げました人口、農業、観光業における状況のみならず、飯山市を取り巻く状況は、刻々と大きく変化しています。時代の変化を適切に捉え、変化に的確に対応することが地域持続の要と前向きに捉え、各施策を着実に推進してまいる所存であります。

 今議会におきましては、物価高騰による負担増を踏まえ実施される定額減税補足給付金の給付や、秋以降に開始される高齢者の新型コロナワクチン定期接種に要する経費、また、火災により被害を受けた市営住宅の復旧費用などの補正予算案のほか、法令等の改正に伴い必要となる条例の改正案等を上程しております。ご審議の程よろしくお願い申し上げます。

  結びに、今後とも議員各位の格段なるご指導とご協力をお願い申し上げ、今定例会招集の挨拶といたします。

  

2024年3月市議会定例会 開会あいさつ(2月22日)

 本日、3月定例会を招集いたしましたところ、議員各位のご出席を賜り、厚く御礼を申し上げます。

 開会に当たりまして、一言ご挨拶申し上げます。

◯能登半島地震 1日も早い復旧復興を

 まず初めに、この度の能登半島地震で犠牲となられました方々に深く哀悼の意を表するとともに、被災された皆様、また、ご家族・関係者の皆様に心からお見舞いを申し上げ、1日も早い復旧復興をお祈りいたします。飯山市にとりましても北陸地方には七尾市はじめ多くの観光交流都市がございます。市として可能な支援を行うべく、飯山市災害対策支援本部を設置して、支援物資の提供や職員派遣など、国や県をはじめ関係機関と連携を取りながら引き続き支援に努めてまいります。

○人口減対策は最重要課題

 さて、日本全体が少子高齢化に加え、人口減少時代のとば口に立つ中、昨年12月に国立社会保障・人口問題研究所が公表した「日本の地域別将来推計人口」によりますと、飯山市の総人口は2050年には2020年比で46.8%減の1万400人に減少すると推計されております。また、15歳から64歳の生産年齢人口は、2050年には2020年比で57.1%減の4327人に減少すると推計されています。もちろんこれは統計分析の推計値であり、何ら対策を講じない場合の警鐘と受け止めています。

 ところで、飯山市の昨年2023年の総人口の減少率は過去もっとも高いレベルの2.6%となりました。依然減少に歯止めが掛かっておりません。自然増減率は出生数が59人と著しく減少したことを受け、1.46%の大幅減少となりました。社会増減率は、女性の転出が男性に比べて多い傾向にあり、特に20代前半を中心として20代女性全般の転出が他の年代に比べ多い状況にあります。

 長野県全体では22年連続の人口減少となりましたが、うち自然増減数が20年連続の減少となった一方、社会増減数は2年連続の社会増となっております。

 そのような中で県内77市町村の中において飯山市の人口減少率は、直近四年間で、総人口の減少率でみると高い方から2020年は19番目、2021年は34番目、2022年は18番目、2023年は15番目となっております。

 飯山市の人口減対策は待ったなしの最重要課題であることは間違いありません。コロナの影響、それぞれの市町村の産業構造など含め、まだまだ分析が不十分ですが、あらゆる政策を動員し、しっかり取り組んでまいる方針でございます。県は秋頃を目処に人口対策を整理する方針のようですので、それに歩調を合わせ、市としても政策のとりまとめをしてまいる所存です。

◯北陸新幹線の延伸を契機として

 さて、来月16日には北陸新幹線が福井県の敦賀まで延伸し、信越自然郷におきましても地域観光へのインパクトは大変大きく、福井県や関西圏まで視野に入れた誘客の取り組みがより一層重要になってまいります。現在、敦賀市との観光交流都市の調印式を行う予定で協議を進めているところでございます。さらに、来年度は、大阪市と飯山市の提携50年の記念すべき節目を迎えます。両市において各種の記念事業を計画しており、これを契機にいっそうの交流が推進できますよう準備に万全を期してまいります。

◯誘客対策と移住者誘致

 先日開催されました第41回いいやま雪まつりは、主催者発表で4万5000人の来場者があり、昨年比1.5倍と急伸しました。このところのインバウンド需要の回復と相まって、コロナ五類移行後の人の流れの変化は顕著で、この流れを地域経済に取り込むべく誘客対策に対応してまいりたいと存じます。もうひとつ、将来につながる明るい話題としまして、雑誌「田舎暮らしの本」最新号の特集「2024年版住みたい田舎ベストランキング」の人口3万人未満の市において、飯山市は総合部門第6位、若者世代・単身者部門第2位など複数部門でランクインしました。移住者誘致は年々、自治体間競争が激しさを増しておりますが、移住希望者にとっても魅力的な地域を目指して引き続き移住定住施策に力を尽くしてまいります。

◯スキー競技で飯山勢が活躍

 さて、今冬も中高生たちによるスキー競技の嬉しいニュースが続々と届いております。野沢温泉村で開かれた全国中学校スキー大会では、クロスカントリー競技で上位入賞が相次いだほか、リレー競技では市内中学生が加わった長野県チームが男女とも優勝という素晴らしい成績を残しました。また、富山県で開催された全国高等学校スキー大会では、個人種目の上位入賞のほか、飯山高校スキー部が女子総合優勝及び男子総合準優勝を勝ち取り、女子クロスカントリースキー・リレー競技は7連覇の偉業を達成し、スキー飯山の名を全国に轟かせてくれました。選手・学校・保護者をはじめ関係者の皆様には、心からお祝いを申し上げますとともに、今後のさらなるご活躍を祈念いたします。応援いただいた市民の皆さんにも心から御礼申し上げます。

◯公約の重点政策をしっかり進める

 本定例会では、令和六年度予算案をはじめ、多くの案件を提出させていただいております。新年度事業への方針及び内容につきましては、この後、令和6年度施政方針及び議案の提案理由の中でご説明申し上げますが、新年度予算では公約の重点政策である「地域おこし協力隊事業」、「雪かき支援事業」、「除雪協力者への小型除雪機購入補助」、「学校給食費の五割負担軽減」のほか、城北小学校の建設や周辺道路の整備事業などもしっかり進めてまいる考えです。

 市制70周年を迎える令和6年度、飯山市の将来を見据えた課題の解決に着実な一歩を踏み出せますよう、議員各位のご審議をお願い申し上げまして、招集のご挨拶といたします。

 

令和6年度 施政方針(2月22日)

 令和6年3月定例市議会の開会に当たりまして、令和6年度に臨む、施政の基本方針を申し上げ、市民の皆様、並びに議員各位のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

 

○「飯山郷創~世界にひらく 里山の未来~」の実現へ

 私が就任して2回目の新年度を迎えます。一昨年10月、市長に就任して以来、直面する諸課題の解決に全力を傾けてまいりました。人口減少・少子高齢化が顕在化する飯山市において、議員各位、市民の皆様及び関係団体の皆様等と議論を深めるなか、公約に掲げました「安心で安全な、住みやすい元気な地域づくり」に向けた雪かき支援事業の本格実施、「医療・福祉の充実、出産・子育てしやすい飯山市」では、学校給食費の保護者負担軽減や保育園における使用済み紙おむつの持ち帰り不要化など、「スポーツ・文化・芸術・歴史・伝統を活かした飯山市づくりによる観光振興」では、2028年国民スポーツ大会開催に向けた準備委員会設立などの取組、「産業振興、事業者支援」では、道の駅グランドオープンや飯山線サイクルトレインの検証実現など、そして「誰もが活躍できる地域づくり」の実現に向けたジェンダーフリーをテーマとした講演会の実施など、各施策に取り組んできたところです。各施策の展開による成果を、市民の皆様が実感として感じとっていただけるよう、新年度におきましても邁進する所存であります。

 市民・事業者・各種団体・行政など、まちづくりに関わるすべての担い手の皆様と問題意識を共有し、一緒に考え、協働でまちづくりを進めていけるよう、取り組んでまいります。

 

○国、県の状況

 ここで、市政を取り巻く国や県の状況等を申し上げ、ご理解を賜りたいと存じます。

 1月26日に閣議決定されました「令和6年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度」では、我が国経済は、コロナ禍の3年間を乗り越え、改善しつつあり、令和6年度の経済見通しにおいては、民間需要主導の経済成長が実現することが期待され、実質GDP成長率は1.3%程度、名目GDP成長率は3.0%程度、また、消費者物価は2.5%程度の上昇率になると見込まれております。

 国の新年度予算案は、「歴史的な転換点の中、時代の変化に応じた先送りできない課題に挑戦し、変化の流れを掴み取る予算」とされており、経済の好循環の起点となる賃上げの実現、「こども未来戦略」に基づくこども・子育て政策、DX・GX等構造的な変化と社会課題への対応等をポイントに、一般会計総額が112兆717億円と、前年度当初比で2兆3,095億円、2.0%減の予算規模となっています。

 

 長野県におきましては、「人口減少の緩和と適応、そして未来への挑戦」として、令和5年度からスタートした「しあわせ信州創造プラン3.0」の本格展開に向けた新年度予算案として、8つの「新時代創造プロジェクト」の具体化に向けた予算を計上するとともに、令和6年元日に発生した能登半島地震も踏まえ、本県において起こり得る大規模地震から県民の生命・財産を守るため、地震防災対策の抜本的強化のための予算が計上されたところです。新年度一般会計予算総額は9,991億円、前年度と比較し465億円、4.4%の減となったところです。

 

 このような状況の下、飯山市においては、令和7年度に開校となる城北小学校の整備をはじめ、防災・減災施設整備などの大型事業、老朽化が進むインフラ施設の長寿命化や2028年国民スポーツ大会開催に向けた取り組み、また、脱炭素の地域づくりや行政DXの推進など、様々な財政需要が見込まれております。事業実施に当たっての裏付けとなる市財政の厳しい状況に変わりはありませんが、時代の変化に対応する中で、事業の選択と重点配分をすることで、将来にわたり安定した財政運営を維持してまいりたいと考えております。

 市民各位、議員各位のご理解ご協力をお願い申し上げる次第であります。

 

○令和6年度予算案概要と重点施策

 それでは、新年度予算案の特徴と、施策の概要を申し上げます。

 予算総額は、一般会計で175億1千万円、前年度比12億4千万円、7.6%の増となり、過去最高の予算規模となりました。

 歳入は、市税については個人住民税における定額減税の影響を考慮し、前年度比6千9百万円減の23億2千百万円を計上、地方交付税は前年度比2億7千万円、4.8%増となる59億2千万円計上し、国県支出金のほか、ふるさと納税を活用した基金等の活用、市債等で歳入確保をいたしました。

 歳出においては、城北小学校の開校に向けた校舎建設及び周辺道路の整備や併設される児童クラブの整備に係る経費について重点的に予算を計上し、学校給食費負担軽減などの子育て支援や、地域おこし協力隊、集落支援員制度を活用した元気な地域づくりなど、公約に基づく重点政策と第6次総合計画に掲げる基本目標と整合を図りながら、目標達成への着実な推進に重点をおいた予算を編成したところです。

 

 以下、新年度の重点施策に関わる事業について、前期基本計画に掲げる5つの基本目標に沿ってご説明申し上げ、市の姿をご理解いただければと存じます。

 

 1つ目は、「美しい自然環境を守り、クリエイトするまち」づくりであります。

 自然環境保護に向けた温室効果ガスの排出削減及び2050年カーボンニュートラルの実現のため、公共施設照明のLED化や学校教室における断熱改修実証試験など、脱炭素の地域づくりを進めるため、出来るところから取り組んでまいります。

 現在10名の隊員で地域課題の解消等に向けた活動に取り組んでいただいております地域おこし協力隊については、新年度内において新たに20名を任用し、地域外の人材の知識・経験・感覚を積極的に受け入れ、地域資源の魅力化や付加価値の創出を図ってまいります。

 関係人口創出に向けた取組といたしまして、姉妹都市提携50周年となる大阪市や、本年3月の北陸新幹線敦賀延伸を機に、各都市からの誘客に加え、市民レベルでの交流活動が活性化するよう、準備を進めてまいります。

 

 2つ目は、「未来を拓く子どもたちが育つ共育のまち」づくりであります。

 城北小学校の校舎建築工事に併せて、新たに設置する児童クラブや登下校用のスクールバスなどの環境整備に加え、統合後もスムーズに児童が新しい小学校での学校生活が始められるよう、4小学校での交流活動も継続してまいります。

 子育て世代支援として令和5年度から段階的に取り組んでおります小・中学校給食費の負担軽減につきましては、新年度から軽減率を現行の4割から5割に拡充し、保護者負担の更なる軽減を図ってまいります。

 また、新年度より新たに「飯山市こども女性家庭センター」を設置し、妊娠期から子育て期の不安や困りごとに対応する窓口を一本化し、ワンストップとすることで、市民の皆様が相談しやすい環境を整えてまいります。

 

 3つ目は、「世界に誇れる技術を持ち、産業が活発なまち」づくりであります。

 市の基盤産業である農業において、新規就農者支援などにより担い手確保・育成に引き続き取り組むほか、多くの方からおいしいと評判をいただいている飯山産米のブランド化に向け、有機米など健康増進に繋がる米生産への取組研究など、食べる人・つくる人・調理する人など関係する多くの皆様との情報交換や意見交換をする中で、高付加価値化に向けた取組を推進いたします。

 林業につきましても、森林環境譲与税の本格交付を迎えていること、広葉樹の有利販売の可能性も指摘される時代の流れが始まっていることなどを踏まえ、森林・林業・林産業という大きな枠組みの中で、次の時代に向けて勇気をもって振興策を講じていかなければなりません。

 以上のような状況に則し、農林業の維持及び振興に向けた法人の設立について、その要否を含めて調査・研究を深め、令和7年度予算において結論をお示ししてまいります。

 観光施策としては、東京・大阪でのマスコミ懇談会等、発信力強化による取り組みを通じた誘客促進のほか、インバウンド推進に向けて海外でのトップセールスにも取り組んでまいります。

 

 4つ目は、「一人ひとりが生きがいを持って挑戦できるまち」づくりであります。

 誰もが活躍できる場づくり、そして、多様性を認め合う地域づくりに向け、令和7年度を開始年度とする第5次男女共同参画計画の策定を進めます。

 2028年国民スポーツ大会の開催に向け、昨年11月末に設立された飯山市準備委員会の活動支援及び競技施設等の整備の検討、また、選手育成及び競技役員の育成にも取り組んでまいります。

 寄贈いただいた絵本を活用した絵本の読み聞かせ会の実施等に加え、市図書館への子どもの絵本の部屋の整備など、多くの方が絵本文化に触れ、絵本をキーワードとした世代や地域を超えた交流拡大に繋がる取組も進めてまいります。

 

 5つ目は、「安全で安心して暮らしを愉しめるまち」づくりであります。

 冬期間も不安なく安心して住み続けられる地域づくりを進めるため、雪かき支援事業による除雪困難世帯への支援の継続、また、住み慣れた地域において安心して暮らすための高齢者冬期共同住宅事業の実証試験に引き続き取り組むほか、新たに除雪協力者への小型除雪機等購入に係る補助制度を設け、除雪体制の維持及び新たな担い手の確保を図りたいと考えております。

 防災減災に向け、千曲川堤防内水排除設備の設置や災害に備えた備蓄物資及び備蓄倉庫の整備等、災害対策の強化に取り組みます。

 

 以上、新年度の重点施策に関わる事業の概要を申し上げました。

 なお、各施策の推進に向けた組織体制の整備として、災害対策、国民保護など、危機管理の総合的な調整・推進を図る危機管理部を新たに設け、また、農林業の維持・振興、観光業をめぐる急速な環境変化への対応などに向け、現在の経済部を農林部及び商工観光部とし、きめ細やかで迅速な施策推進に取り組んでまいります。

 

 令和6年度は、市制が施行され70周年を迎える節目の年であります。

 第6次総合計画の基本構想に掲げる将来のまちの姿「飯山郷創(きょうそう)~世界にひらく 里山の未来~」の実現に向け、「誇りある郷(ふるさと)」として飯山市を発信し、訪れたい・住みたい・暮らし続けたいと思われる「世界に誇れる里山づくり、世界中から訪れたくなる里山づくり」に取り組んでまいります。

 市民の皆様の一層のご協力をお願いするとともに、議員各位のご支援ご協力を心よりお願い申し上げ、所信表明と致します。

   

公務日程

市長の公務日程について掲載しています。

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更新日 2025年03月03日