令和6年度飯山市美術館企画展 ~伝統美と創造の世界~長谷川青澄没後20年展 開催報告
会期
令和6年(2024年)10月19日(土)~12月1日(日)
概要
飯山市名誉市民の日本画家、長谷川青澄(1916-2004、日本美術院同人評議員)は1940年代から亡くなる2004年までの60年以上に亘って、現代日本画壇で活躍した郷土を代表する芸術家です。
若き日に大和絵を学んだ長谷川は1952年、36歳のとき、日本美術院同人の中村貞以(1900-1982)に師事し、その翌年に院展初入選を果たして以降は一貫して院展を作品発表の舞台としました。「常に描きたいものを描いてきた」という長谷川の院展出品作品のスタイルは、その初期には西洋文化を題材とした作品にも積極的に取り組んでいますが、1970年代に入ると、春には日常的な人物画を制作する一方、秋には能や狂言、文楽、日本舞踊、絵巻物など日本の伝統芸能や古典に主題を求めた大作へと定着していきました。特に、院展の一連の大作は伝統主義的とも思える題材に傾倒しながら、新奇な画面構成、線描と陰影を織り交ぜた立体表現、重層構造をなす厚塗りの絵の具層など、日本の伝統美を現代に蘇らせるための斬新な挑戦が随所に見られます。
本展では、長谷川青澄の没後20年を記念し、終戦前に郷里飯山に疎開していた頃の作品から生涯戦い続けた院展における初期から最晩年までの主要な作品を展示し、西洋絵画の影響を受けながら、主題と表現、伝統と革新をめぐる問題において独自の絵画世界を構築していった長谷川芸術の変遷をたどりました。
ポスター・チラシ
開催風景
▼ロビー
▼展示室
▼中部屋
▼ギャラリー
▼テープカット
▼ギャラリートーク