「小菅の里及び小菅山の文化的景観」が国の重要文化的景観に選定!!
「小菅の里及び小菅山の文化的景観」が平成26年1月21日に国の文化審議会の答申を受け、
平成27年1月26日の 官報告示により、国の重要文化的景観に選定されました。
今回の結果、飯山市を含め新たに3件が選定され、全国で47件の重要文化的景観が選定された
ことになります。なお、長野県内では千曲市の「姨捨の棚田」(2010年2月に選定)に次いで2件目
となります。
春の小菅集落 カイドから妙高山を望む
小菅神社奥社参道 神戸のイチョウ
柱松行事 小菅神社奥社
カワ 集落内の石垣
文化的景観とは
地域における人々の生活又は生業及び該当地域の風土により形成された景観地で
我が国民の生活又は生業の理解のために欠くことのできないもの
(文化財保護法第二条第1項第5号より)
文化的景観は、日々の生活に根ざした身近な景観であるため、日頃その価値には
気付きにくいものです。文化的景観を保護する制度を活用することによって、その
文化的な価値を正しく評価し、地域で護り、次世代へと継承していくことを目的と
しています。
なお、文化的景観の保護制度は、平成16年の文化財保護法の一部改正により
始まった新しい文化財保護の手法です。
小菅の里及び小菅山の文化的景観
1 文化的景観の名称
小菅の里及び小菅山の文化的景観(こすげのさとおよびこすげさんのぶんかてきけいかん)
2 文化的景観の種類
次の選定基準の複合(文化庁選定基準)
・用材林・防災林などの森林の利用に関する景観地
・ため池・水路・港などの水の利用に関する景観地
・垣根・屋敷林などの居住に関する景観地
3 文化的景観の所在地及び面積
【所在地】 長野県飯山市大字瑞穂
小菅区、神戸区の一部、関沢区の一部、針田区の一部
【面積】 389.72ha
【範囲】 小菅集落を中心に、南は風切峠と良蔵坊跡・神戸のイチョウを含む稜線、
西は二の鳥居、北は前坂の峠尾根、東は国有林の境界線を結んだ範囲
4 文化的景観の概要
小菅は、長野県北部の飯山盆地東縁に営まれる集落で、小菅山山麓の緩斜面上に広がる。
集落を囲む山々ではブナ群落・ナラ群落等が卓越しており、それらはかつて薪炭材等に利用
されたほか、集落内でもカツラ・ケヤキなどの樹木が植えられており、小菅神社の例大祭で
ある「小菅の柱松行事」に用いられている。
小菅山は7世紀前半に遡る修験の山であり、戦国時代には北信から上越に及ぶ信仰圏を
誇ったとされる。小菅神社の直線的な参道の両側に方形の区画を持つ坊院群が密集する古絵図
が伝わっており、現在も、当地で産出する安山岩を用いた石積み等で区画された地割が、
居住地及び耕作地として継承されている。
小菅では、山体崩壊により生じた湧水等を居住地に引き込み、カワ又はタネと称する池で受け、
洗い物・消雪等に利用している。また、集落北方の北竜湖から用水を引き、居住地背後の水田・
畑地の灌漑に利用している。水路の維持・管理など集落の共同作業はオテンマと称し、地域共同体
の紐帯として機能している。
このように、小菅の里及び小菅山の文化的景観は、小菅山及びその参道沿いに展開した計画的
な地割を持つ集落景観で、カワ、タネと称する水利が特徴的な文化的景観である。