飯山三十六景 ~葉っぱのバッタ~
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村のフラワーロードに、ケイトウと一緒にコスモスが咲き、ススキも若い穂を出した。赤やピンクや黄色の花の中で遊んでいると、ススキの葉の上でバッタが一匹、触角を風に揺らせている。 「見かけないバッタだな」と思い、近づくと、それは葉っぱで作られたものだった。見事な出来栄えにみんなで感心し、分解してみるとバッタは一枚のススキの葉でできていた。 縦に二つに裂かれた葉を編むように、頭、胸、腹、羽が作り分けられ、バッタの触角には葉脈の先端が、足は葉脈の太い部分が使われていた。 「僕らもススキの葉で何かを作ろうぜ!」 「私、コスモスの花」 「僕はトンボ」 「おれは動物にしよう」。 器用さではいまいちの僕は、悩んだ挙げ句、かかしを作ることにした。あれこれ工夫しながら作っていると、葉っぱのバッタをススキの葉の上に置いていった人のニンマリ顔が頭に浮かんだ。
ススキの葉っぱに バッタが一匹 ススキのバッタに おんぶのバッタ 葉っぱのバッタに だまされバッタ |
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写生ポイント(矢印を方向を見て描かれたものです。) |