飯山三十六景 ~棚田~

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古くから伝わる美しい棚田が、黄金色になったと聞き、みんなで見に行くと田んぼのそばの山が言った。 「毎年この田に水が入ると、カエルが出て来て毎晩のど自慢が始まるが、今年は少々変わったことがあった。 ラップのリズムでフレーズを刻む『ケロラップ』と名乗るグループが登場した。そのフレーズは『痩せ蛙負けるな一茶ここにあり』これを繰り返しては歌い、踊る。アッという間に、若いカエルの間に広まった。 俳句の趣に反する、という意見もあったが、ガマ長老の『古い文化と、新しい文化の交流は、悪いことではない』とのお墨付きが出て大流行した。
そこへ『芭蕉派』という一団が他からやって来て、派手な踊りで♪『古池や蛙飛び込む水の音』と歌っては田に飛び込み、ますますにぎわった。 流行りは林にも飛び♪『静けさや岩にしみいる蝉の声』と歌うセミラッパーが出現して山にも広がり、毎日祭りのようだった。
今やっと静かになり、美術の秋。今度は私の出番だ。緑のキャンパスに、いつもより美しい色彩のハーモニーを描こうと思うが、完成したら見においで」
古田んぼ蛙飛び込む水の音
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写生ポイント(矢印を方向を見て描かれたものです。) |